オロンコ岩住所 斜里郡斜里町ウトロ東NPO法人 知床斜里町観光協会 斜里の由来はアイヌ語の「サル」、「シャル」(アシの生えているところ)より転訛したもの。 ウトロの由来は、漢字表記は「宇登呂」、アイヌ語の「ウトゥルチクシ」(その間を我々が通行する所)という意味である。 オロンコ岩の由来は、アイヌ語の(そこに座っている岩)、ウトロの当地の先住民族「オロッコ族」に由来し、昔この岩で先住民族が戦ったという逸話も残っている。 国道334号線ウトロ市街地からウトロ港観光船乗り場方向に、約350mほど進み左折、約120mほどに無料駐車場がある。 オロンコ岩は知床八景の一つで、ウトロ港にある高さ約60mの巨岩。約180段あまりの段差の大きいコンクリート製の階段を上っていくのだがこれがとても辛い。頂上は平坦な地形が広がり、プユニ岬、チャシコツ崎、岩礁が透けて見えるほど青く澄んだオホーツク海やウトロの町並み、知床連山など見渡す360度の展望が楽しめる。 その昔、このあたりに住んでいた先住民族「オロッコ族」から、この名が付いたとも言われている。 この急な階段は途中挫折する人も多いようで、私が行った時も数人がギブアップしていた。自信がない場合は途中で引き返すのが賢明である。(とにかくキツい)冬は通行止めとなる。 オロンコ岩のトンネルを抜けると「ウトロ地区公設駐車場」(有料)があり、松浦武四郎顕彰碑や、三角岩の前には、森繁久彌氏が歌った知床旅情の歌碑が建っている。 冬の時期には、海を埋め尽くす流氷を楽しみにやってくる観光客も多い。 ちなみに、ウトロ地区公設駐車場では、知床冬のイベント「オーロラファンタジー」の会場になっていたのだが、2016(平成28)年で30回目となる「知床ファンタジア2016」が、2月5日〜3月12日まで開催され、30年間の歴史に幕を閉じた。 駐車場の近くにはゴジラ岩もある。 このオロンコ岩の辺りは、沢山の遺跡が発掘された場所でもある。 1951(昭和26)年のウトロ築港の際には、ウトロ市街地とオロンコ岩の間を結ぶ陸橋地帯から、北筒式・前北式・後北式・擦紋式土器が出土している。 オロンコ岩の頂上地帯には、古い時代の先住民族の炉跡がある。ここからは出土遺物が無いため、正確な年代を判定できなかったようだが、炉跡は地表から約60mほど下にあり、ローム層の間に二段の木炭と灰が混じった層があり、炉はきわめて原始的なものだった。 オロンコ岩はきわめて要害(ようがい・防御・戦闘性に富んでいる場所を表す語)の地を占めており、その後も度々先住民族により利用されたものだろう。 アイヌ伝説によると、昔この岩の上にオロンコ人が住んでいたという。オロンコ人とは、「オロッコ人」の訛りであるとの説もあるが、オホーツク式土器人の呼び名であったかもしれない。 一説には、ここに他系統のアイヌの一派が住んでいたという説もある。 知床八景とは、知床半島においてよく知られる8ヶ所の景勝地で、オシンコシンの滝、オロンコ岩、夕陽台、プユニ岬、フレペの滝、知床峠、知床五湖、カムイワッカの滝となっている。 |