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羅臼町郷土資料館

住所 目梨郡羅臼町峯浜町307番地(旧植別小中学校)

TEL 0153-88-3850
開館日 土、日、祝祭日を除く月〜金曜日(7月〜9月中旬は無休)
開館時間 10時〜17時
入館料 無料

知床羅臼町観光協会

目梨の由来はアイヌ語の「メナシ」(東方または東隅)で、知床と北方領土を含む一帯を指していたようであり、松浦武四郎は「女那志」と記した。
羅臼の由来は、アイヌ語の「ラウシ」(低いところ・獣の骨のあるところ)からで、この一帯はアイヌの狩猟地であった。羅牛、良牛とも古文書にもみられる。
峯浜町とは、植別(ウエンベツ)、居間布(オルマップ)、陸志別(ルクシベツ)が字名改正により峯浜町となった。1872(明治5)年、4月戸長が置かれ、上林藤右エ門が標津、目梨郡の戸長に任命されたときの村名はウエンベツ村、1875(明治8)年8月に仮名文字を用いた村名や港湾などを漢字に改め植別村となる。現在は学校、川、橋などにその名が残っている。ウエンベツは、(悪い川)の意味。この川は奥に入ると峡谷になり、山歩きをするのに足場の悪いところだたのでそう呼ばれたとあり、松浦武四郎が著した知床日誌によれば、悪疫(天然痘のことらしい)が流行らせるためとある。
目梨郡羅臼町本町30番1(国道334号線国道335号線の起点)から国道335号線を標津町方向に約18.8kmほどを右折し、約250mほど。標津郡標津町市街地から約27.5kmを左折し約250mほど。

羅臼町公民館(羅臼町町民体育館内)にて親しまれた「羅臼町郷土資料室」は、2011(平成23)年12月に旧植別小中学校を内部改造し、「羅臼町郷土資料館」としてオープンした。

館内は、羅臼町の歴史、自然関連資料を展示している資料館で、考古第一展示室、近世展示室、生活展示室など、9つの展示室に分かれており、10万4千点の所蔵資料のうち、約3千点を展示している。
明治以降の羅臼の人々の生活道具や写真パネルを展示している生活・漁業に関する資料、遺跡から出土した、約8000年前から1600年前までの縄文続縄文時代の土器や石器などを展示する、考古第一展示室、約1600年前から1300年前までのオホーツク文化トビニタイ文化の木製品や骨角器、竪穴模型などを展示している考古第二展示室。
近世展示室では、江戸時代以降のアイヌ文化や北海道の名付け親でもある、松浦武四郎についての展示。産業展示室では、明治以降の漁具や写真パネルを展示。
植物展示室では、知床の高山植物の写真パネルを展示。動物展示室では、オジロワシやシマフクロウ、オオワシの剥製、クジラ模型等を展示。昆虫展示室では、蝶や蛾、甲虫など200種以上の知床に生息する昆虫標本を展示。
この資料館には、羅臼町指定有形文化財に指定された「弘化の釣り鐘」(こうかのつりがね)があるのだが、私が訪問したときは別の場所に特別展示のため見ることは出来なかった。
この鐘は、「弘化戊申年」(1848(弘化5)年)や「奉納 羅臼大権現」と彫られており、1998(平成10)年に木村幸一氏によって、居麻布川(おるまっぷ)北岸の砂浜の中で発見された物である。

植別記念室では、旧植別小中学校の歴史を展示。他にも会議室、工作室、収蔵庫などがある。
2014(平成26)年3月より全面立入り禁止となっているマッカウス洞窟にある北海道指定天然記念物の1つ、ヒカリゴケは見れないため、小さいがここでも展示されているので寄ってみる価値はある。
ただ土日は休みなので注意して欲しい。

ちなみに羅臼町に始めて祭祀がなされたのは、植別神社で1822(文政5)年8月場所請負人高田屋金兵衛ウエンベツ(植別)に漁場を開設するにあたり、漁場小頭太蔵、徳次(南部佐井村(現・青森県下北郡佐井村)出身)に命じ、大工佐之助(南部出戸(現・青森県上北郡六ヶ所村出戸)出身)をして漁場繁栄を祈願し、オロマップの高台に小社を建立した。1841(天保12)年2月には、讃岐国象頭山鎮座金比羅宮社寺金光院より、願望成就の祈祷霊璽を奉戴し祀る。1859(安政6)年3月には、稲荷本宮より正一位稲荷大明神御分霊を奉戴し祀る。これが羅臼の神社の起源となっている。
1882(明治15)年1月には、羅臼岳山霊を羅臼山大権現位と称し祀る。
植別神社は、1892(明治25)年に藤野漁場支配人川越善兵衛、植別神社より御神体を三社神社に遷座した。住所は目梨郡羅臼町植別村字オタヅネマップ(現・目梨郡羅臼町麻布町)旧植別神社跡は、羅臼町指定文化財である。
1895(明治28)年には、 現在の石碑がある位置(目梨郡羅臼町峯浜町1)に新社殿を造成し遷座する。
1918(大正7)年11月に新社殿を造成。
1972(昭和47)年、目梨郡羅臼町峯浜町307番地(旧植別小学校の裏)に移転した。

近くには羅臼八景にも選ばれている峯浜パーキングがあり、天気が良ければ根室海峡越しに知床連山が一望でき、北方領土である国後島、羅臼市街を眺めることができる。

1618(元和4)年、東隅夷(メナシ)の酋長螺羅稀阿犬猿虎の皮を松前氏に献上するとあり、「メナシ」の言葉が初めて出る。
1701(元禄14)年、霧多布場所の開設、知床の夷人この地で交易をする。
1774(安永3)年、飛騨屋久兵衛霧多布外三場所の請負人となる。
1789(寛政元)年、寛政蝦夷の乱起る。クナシリ、メナシのアイヌ和人71名を殺害する。
1790(寛政2)年、根室場所開設される。
1791(寛政3)年、飛騨屋が請負人を免ぜられ、村山伝兵衛に場所差配を命じる。
1796(寛政8)年、村山伝兵衛は根室、国後場所を罷免され、小林屋、熊野屋の共同差配を命じる。
1812(文化9)年、根室場所を材木屋七郎右エ門の請負となる。
1816(文化13)年、根室場所を高田屋喜兵衛、伊達林右エ門、栖原半助、亀屋武兵衛の共同請負となる。
1818(文政元)年、根室場所を高田屋単独の請負となる。
1822(文政5)年、高田屋金兵衛「オロマップ」の高台に小社を建立し、植別神社の起源となる。
1832(天保3)年、根室場所は藤野喜兵衛の請負となる。「ルシヤ」に鮭鱒場一ヶ所開設する。
1840(天保11)年、根室場所は山田屋文右衛門の請負となる。
1845(弘化2)年、根室場所は和賀屋宇右エ門、浜田屋兵四郎の共同請負となる。
1849(嘉永2)年、根室場所は藤野喜兵衛(四代目)の請負となる。標津場所の名称が出る。
1850(嘉永3)年、藤野喜兵衛は、「タッカルウス」「レブンシラリ」に鰊、鮭小舌網場二ヶ所新設する。
1858(安政5)年、5月松浦武四郎が知床探索の途次「ウエンベツ」に立ち寄る。
1859(安政6)年、会津藩の警備管轄となる。
1869(明治2)年、蝦夷を改めて北海道として11国86郡を定め、北見国斜里郡となる。
1871(明治4)年、5月仙台藩の支配となる。8月仙台藩の支配終わり、根室開拓使出張所の所轄となる。
1872(明治5)年、4月戸長が置かれ、上林藤右エ門が標津、目梨郡の戸長に任命される。
1873(明治6)年、7月根室支庁出張所を「野付」に置き、目梨、標津、野付三郡を管轄する。
1876(明治9)年、9月漁場持ち制を廃止し、一般に開放される。佐藤久右衛門が漁場を自営し定住する。
1882(明治15)年、1月開拓使根室支庁を廃し、根室県を置く。
1888(明治21)年、羅臼温泉に初めて温泉宿が設けられる。
1891(明治24)年、鱈、鰈、大平目釣り漁はじまる。越中方面からの定住者が増えだす。
1893(明治26)年、6月西井賢誠師(誠諦寺)民家を借りて寺子屋を開設。教育の始まりとなる。
1897(明治30)年、春苅古丹にて医師川上又吉が私塾を開く。
1901(明治34)年、標津、羅臼間道路開通する。6月羅臼、春苅古丹に駅逓設置する。9月標津外六ヶ村戸長役場より分村し、植別村戸長役場を設置する。
1905(明治38)年、羅臼昆布が始めて大阪方面に出荷される。
1907(明治40)年、戸長が半島横断路線(羅臼〜岩尾別間)の踏査。
1916(大正5)年、9月開拓功労者佐藤久右衛門表彰記念碑を建立。羅臼〜サシルイ間道路新設。
1929(昭和4)年、9月標津〜羅臼間に乗り合い自動車運行される。
1930(昭和5)年、7月植別村を羅臼村に村名変更する。
1945(昭和20)年、8月羅臼〜ウトロ間の防衛道路完成(現・登山道)。11月国後島より脱出の漁民陸志別原野に入植する。
1962(昭和37)年、7月共同浴場横に、町営温泉「らうす荘」がオープンした。
1963(昭和38)年、12月「ひかりごけ」北海道天然記念物に指定される。開発道路ウトロ・ラウス道路工事着工。
1964(昭和39)年、1月羅臼温泉郷に頻発地震起る。5月知床半島巡り観光船就航する。6月「知床」国立自然公園に指定される。面積は斜里郡斜里町と目梨郡羅臼町にまたがる3万8636haを知床国立公園に指定した。
1968(昭和43)年、3月羅臼間歇泉が北海道天然記念物に指定される。
1970(昭和45)年、松浦武四郎の歌碑(マッカウス)建立する。
1974(昭和49)年、3月知床突端のフーセン岩が流氷で押し倒されていることが確認される。
1978(昭和53)年、8月露天風呂「熊の湯」完成。町立しおかぜ公園完成。
1981(昭和56)年、1月町民スキー場スキーリフト運転開始。
1982(昭和57)年、12月ビジターセンター完成。
羅臼町史、羅臼町史第二巻参考

羅臼八景とは、羅臼町においてよく知られる8ヶ所の景勝地で、羅臼岳知床横断道路(一般国道334号駐車帯)、羅臼湖、マッカウス洞窟のヒカリゴケしおかぜ公園望郷台(国後展望塔屋上)、熊越の滝峯浜パーキングとなっている。

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