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音更山道碑

住所 上士幌町字黒石平75番地

上士幌町観光協会

国道273号線は、その昔音更山道と呼ばれていた。
明治時代、十勝監獄(現・帯広刑務所)は音更国有林にある豊富な木材を建築用材とし、囚人たちに伐採させた。
音更川付近まで運んで音更木野まで流送、さらに帯広の十勝監獄へ陸送、その距離は80kmにも及んだ。
作業に当たったのが刑期5年以上の重罪囚だったことからも労役の過酷さをうかがえる。
道路の開削や補修改善などが、上士幌の開拓や入植、糠平温泉開発の礎となった功績は、忘れてはならないだろう。
木材流送は、1893(明治26)年から1927(昭和2)年まで続けられ、総伐採量は約15万石(41700立方メートル)と推定されている。
1918(大正7)年、造材事業に王子製紙も加わり、業務を請け負う地元の関木材部が、十勝監獄の囚人を使って物資輸送の中継所であった元小屋から造材現場のメトセップ沢までの10kmを切り開き、馬車が通行可能な道を3ヶ月の突貫工事で築いた道。
石碑はこの道の開通を記念して十勝監獄が建立したものだが、士幌線の工事の邪魔になるため音更川に転がされ放置されていたのを、1970(昭和45)年に国道脇に再設置し現在に至る。
碑のあるあたりは層雲峡にも似た屏風岩があり、鱒見トンネルの南には小さなパーキングもあるので、音更川をゆっくり眺めることができる。
1997(平成9)年、6月13日上士幌町有形文化財に指定された


音更山道
国道糠平街道は明治25年釧路監獄の囚人の斧によって誕生する。囚人はユウンナイ
(糠平湖底)の大樹海を伐採し十勝開拓の建設資材にあてたのである。
当時の道といえば奇岩と断崖続く激流の縁に刈り分け道しかなく、囚人たちは背に食糧
と作業具をかついで前進し冬は寒さをついて伐木にあたり、夏は音更川の水運を利用して
中越波場(音更町木野市街)まで流送するのであった。
大正7年十勝監獄はユウンナイまでの約16キロの道路開削工事にあたるのである。
糠平街道は当時「音更山道」と呼ばれ、延6千人の囚人を酷使し3ヶ月の月日を費やして完成したのである。
完成記念碑の碑文は看守長が書き、だれが彫ったのか、なかなかの達筆である。
かれらが去ってから糠平温泉は発展した。糠平ダムの出現によって音更山道の一部は水没、また
碑の足もとを流れる音更川も当時としては比較にならぬ”小川”となり見る影もない。だが、
かれらも見上げたであろう見事な屏風岩だけは風雪にさらされながらそびえたっている。
帯剣と銃の警備のもとに、黙々と汗を流したかれらの音更山道はいま脈々と生きている。


十勝監獄とは、1893(明治26)年、下帯広村(現・帯広市)に北海道集治監釧路分監帯広外役所を開設する。
囚人が十勝分監を建設するため、上士幌の糠平付近で森林を伐採、音更川付近まで運んで音更木野まで流送、さらに帯広の十勝監獄へ陸送、その距離は80kmにも及んだ。
1895(明治28)年、4月北海道集治監十勝分監として開庁する。
1903(明治36)年、4月十勝監獄として独立する。
1922(大正11)年、10月十勝刑務所へ改称する。
1924(大正13)年、4月釧路刑務所に統合し、釧路刑務所帯広支所となる。
1936(昭和11)年、4月網走刑務所の所管となり、網走刑務所帯広支所となる。
1939(昭和14)年、11月帯広少年刑務所として再び独立。
1943(昭和18)年、8月帯広刑務所へ改称。再び成人受刑者の収容施設となる。
1976(昭和51)年、10月帯広市緑ケ丘三番地から現在地である帯広市別府町南13-33へ移転する。

士幌線(しほろせん)とは、旧国鉄が運営していた鉄道路線で、帯広市の帯広駅〜河東郡上士幌町の十勝三股駅に至る路線で、1987(昭和62)年に廃止された。
1960年代後半から国道273号が整備され、1972年には三国峠を抜けるルートにより上川町方面へ開通する。
道路の開通と共に、沿線住民は上士幌に移住するなどして次第に糠平以北は無人地帯が続く状況となった。
現在では、旧糠平駅構内で「ひがし大雪高原鉄道」として662mの足こぎトロッコを、旧幌加駅付近では「森のトロッコ・エコレール」として500mの木製トロッコを運行している。

国道273号とは、帯広市を起点とし、紋別市を終点とする一般国道である。

王子製紙とは、かつて存在した日本の大手製紙会社で、現在の大手製紙会社の王子製紙・日本製紙の前身。
1873(明治6)年、2月抄紙会社設立する。
1876(明治9)年、5月製紙会社に社名変更する。
1910(明治43)年、9月苫小牧工場操業開始。
1933(昭和8)年、5月富士製紙・樺太工業を合併。市場の8割以上を握った。
1949(昭和24)年、8月王子製紙を解散、後継会社である苫小牧製紙・本州製紙・十條製紙の3社が発足する。

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