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落石岬のサカイツツジ自生地

住所 根室市落石西

花の見頃 5月下旬 〜6月上旬
駐車場 無 路肩に車を停車するのみ ゲートそばにバイオトイレがある。

根室市観光協会

根室の由来は、語源は早くに忘れ去られ不明であるが諸説ある。江戸時代の記録には「子モロ」「根諸」などと記され、根室市では「根室国」を命名した松浦武四郎による「知床日誌」では、アイヌ語の「ニ・ムイ」(木・湾の意)を由来とし、この説を採用している。他にも「ニイモヲロ」(静かで樹木のあるの意)・「ニノヲロ」(ウニがあるの意)・「ニムオロ」(樹木繁茂する所の意)・「ネムロコタン」(池のある集落)・「メム・オロ・ペッ」(湧壺・そこにある・川の意)などとある。
落石の由来は、アイヌ語の「オク・チシ」(首の付け根のくぼみ)に由来し、突き出した落石岬が本土につながる低地(現・漁港周辺)をさしている。島を頭に、砂州を首に見立てたのだろうか。
道道142号根室浜中釧路線道道1123号落石港線の交差点から落石漁港方面へ約2.7kmの交差点(落石岬の看板有)を右折し、約260mの交差点を左折(落石灯台の看板有)、道なりに約950mほどでゲート有。そこに標柱がある。

落石岬(おちいしみさき)は、根室半島の付け根に位置し、太平洋に突き出た岬。この岬は2kmほどの台地状の島が、砂州で繋がった陸繋島で砂州部分に集落が集中している。岬の灯台までは歩いてしか行けないので注意をしてほしい。観光地化もされていないため人影もまばら。岬の海岸線は高さ約50mの断崖絶壁になっており、内陸部は平坦な台地でアカエゾマツ純林の落石岬湿原が広がる。落石岬の周辺には落石湿原、ニノウシチャシ跡、アフラモイチャシ跡、眼鏡岩、旧落石無線送信所跡、旧無線局の記念碑などがある。落石岬灯台が点灯開始したのは1890(明治23)年10月。1977(昭和52)年より無人化されている。
この地には国内でも大変珍しい貴重なサカイツツジの自生南限地となっている。灯台につながる木道に広がる周辺130haに及ぶ落石湿原に分布。「落石岬のサカイツツジ自生地」として1940(昭和15)年国の天然記念物に指定された。
このサカイツツジは、樺太の幌内川(現・リカ・ポロナイと称している。南樺太(サハリン南部)が日本の領土だった頃、国境の辺りに多く見られたことから「サカイ」と付いた)が南限とされていたものが根室のアカエゾマツの林縁部に23haにわたり、不連続ではあるが分布し、学術的に貴重な存在である。6月上旬頃に紫紅の小さな花を咲かせる。
私が訪問したのは7月の下旬だったことと時間があまりなかったのでここはスルーしました。いずれ機会があれば再訪したい場所です。ちなみに岬まで往復およそ50分とのこと。
岬の突端には灯台があり、散策道と木道を歩いていくことになるが途中には休憩する場所もトイレもない。途中分岐があるようだが注意すれば間違わないだろう。根室十景にも選ばれている。

落石海岸の写真はピンボケだったためそれとなく加工しております。残念でなりません。

落石漁港方向


落石は、古くはオッチシ、オッチイシ、オツイシ、オツチシなどと呼ばれていた。江戸期から見られる地名である。落石岬と陸地の凹部を指したものと言われている。かつて岬西部は落石湾と呼ばれていたが、現在は東側を落石湾と称している。間宮林蔵が書いた「蝦夷図」には、主だった集落の名が細かく書かれており、「ヲツチシ」と書かれている。1796(寛政9)年には当地に烽火台があったという。文化年間には番屋・雑蔵があった。松浦武四郎が著した「初航蝦夷日誌」では「ヲツチシ、道より左り二番屋有・・・漁小屋有る也。夷人小屋有り。「戊午東西蝦夷山川地理取調日誌」には「ヲツチシ・・・・図合(船)懸り澗よろし、番屋一棟、板蔵一棟、茅蔵一棟、共に久しく漁事をなさず置きし由にて、屋根も朽腐れ只家材のみ残り有りたり・・・上に土人小屋一軒有・・・・当時此家は明屋になして有りとかや」とある。この時のヲツイシは西側の湾を指し、幕末頃には漁業も衰退していたようである。他にも「納沙布日誌」には「ヲッチシ地形一ツの大岬にて、此所細く括りたり」とある。1845(弘化2)年松浦武四郎始めて東蝦夷地を知床まで探検し知床日誌を著す。 この時の身分は、幕吏ではなく江差の商人和賀屋孫兵衛の手代を名乗って函館、室蘭、襟裳、釧路、厚岸、知床、根室、函館と探検した。1846(弘化3)年松浦武四郎が2回目の蝦夷地探査をする。このときは松前藩医西川春庵の下僕「雲平」として、江差から宗谷、樺太南部、紋別、知床、知床半島突端に達し再び宗谷に戻り、千歳、江差と巡る。1849(嘉永2)年松浦武四郎は3回目の蝦夷地探査をする。函館から船で国後島、択捉島へ渡り詳細に調査する。
 1869(明治2)年6月開拓使を設置する。8月蝦夷を北海道と改称し、11国86郡を画定する。根室国根室郡に属する。釧路国厚岸郡に属する。1870(明治3)年の戸数は3戸。1872(明治5)年3月根室管内の村名を定め、落石村の一部となる。成立時はオツチイシ村と称した。1875(明治8)年3月管内町村及び港湾のカナ書アイヌ名を漢字に改める。大字を附する。落石村と表記する。10月クリル諸島の管轄は開拓使本庁とする。1878(明治11)年5月根室〜浜中間の道路を南海岸に移し、厚別駅逓を廃し、落石駅逓を置く。1880(明治13)年8月落石郵便局を置く。1881(明治14)年8月厚岸郡の落石・昆布盛を花咲郡へ編入する。根室寄留某、落石村ボーキリメにて石炭試掘を行う。1889(明治22)年5月和田・落石・昆布盛の三村を合せ和田外二村戸長役場を開設する。1890(明治23)年10月落石岬灯台が落成し点灯開始する。1891(明治24)年の戸数は26戸、115人。この頃私設の教育所を設置する。1895(明治28)年の戸数は37戸、166人で岩手県・秋田県からの移住者が大半だった。1898(明治31)年落石簡易教育所となる。1900(明治33)年7月根室町に一級町村制を施行する。和田外二村戸長役場に穂香(現・根室市)・幌茂尻・厚別の三村を加えて和田外五村戸長役場となる。友知(現・根室市)外五村戸長役場を置く。1901(明治34)年落石尋常小学校となる。1906(明治39)年4月和田・落石・昆布盛・穂香・幌茂尻・厚別を割いて和田村と改め、二級町村制を施行する。落石村・昆布盛村を根室郡に編入する。和田村の大字となる。1906(明治39)年曹洞宗落石説教所(現・正禅寺 室市落石東247)設置する。1908(明治41)年北米航路の要衝として船舶や航空機と無線電信を行うため落石電信局設置。開設当初は落石岬側にあった。銚子無線電信局で捉えられない通信を補う。1911(明治44)年の戸数は120戸・531人。
 1916(大正5)年大津滝三郎がユルリ・モユルリ島で養狐事業を開始する。1920(大正9)年11月国有鉄道(根室本線)の厚床〜西和田間を延伸開業、初田牛・別当賀・落石・西和田の各駅を新設。駅前に市街地が形成される。1921(大正10)年、8月西和田〜根室間延伸開業により全通する。花咲駅・根室駅を新設、滝川〜根室を根室本線と改称する。この頃まで駅逓があったようである。1923(大正12)年12月落石無線電信局の送信所を現在の場所に移設・改築し、受信所を根室(現・光洋町)に、送信所を和田村に移す。1925(大正14)年落石無線電信局で北樺太オハ(現・樺太島北端の東岸に位置するロシア連邦サハリン州の市)との通信に成功する。
 1927(昭和2)年10月根室港第二期工事着工する。歯舞・花咲・落石港の修築工事着工する。許可移民が根室原野に大挙して入地する。この頃から酪農が始まる。1932(昭和7)年11月町内地番改正し、大字を廃し36町名となる。1938(昭和13)年11月長節湖が落石漁業協同組合に払下げられる。1940(昭和15)年2月サカイツツジの自生地(落石岬)が分布の南限であり、天然記念物に指定される。1945(昭和20)年旧ソ連軍(現・ロシア)の択捉島侵攻の無線電信の第一報を受信しているが同年米軍機による攻撃で全焼している。戦後の緊急開拓入植により人口が増加する。1951(昭和26)年落石港が第一種漁港に指定される。1952(昭和27)年灯台をコンクリート建造に建て替える。1957(昭和32)年8月根室町と和田村を合併し、根室市が誕生し、根室市の大字となる。戸数は264戸。1959(昭和34)年落石ロラン局(地上系電波航法システムの一種)開局する。1960(昭和35)年6月長節湖湖水祭開催する。1962(昭和37)年落石漁港が第二種漁港に指定される。1963(昭和38)年10月ユルリ・モユルリ島海鳥繁殖地を北海道指定の天然記念物とする。1964(昭和39)年落石地区で高師小僧(土中で生成される褐鉄鉱の固まり)が大量に発見される。1965(昭和40)年戸数は初田牛で42戸、181人。別当賀は137戸、657人。落石では260戸、1377人。1966(昭和41)年11月落石無線局が札幌中央電報局に統合され自動化、無人となる。1967(昭和42)年大字が廃止され字落石西・字落石西・初田牛・別当賀となる。1968(昭和43)年落石漁港は第三種漁港に指定される。1976(昭和51)年ユルリ島・落石岬が道自然環境保全地域に指定される。1983(昭和58)年4月落石のアフラモイチャシ跡は「根室半島チャシ跡群」の一部として国の文化財の指定を受ける。
 1992(平成4)年落石駅無人化となる。2010(平成22)年落石岬灯台霧笛廃止する。
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