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長節湖

住所 根室市長節

根室市観光協会

根室の由来は、語源は早くに忘れ去られ不明であるが諸説ある。江戸時代の記録には「子モロ」「根諸」などと記され、根室市では「根室国」を命名した松浦武四郎による「知床日誌」では、アイヌ語の「ニ・ムイ」(木・湾の意)を由来とし、この説を採用している。他にも「ニイモヲロ」(静かで樹木のあるの意)・「ニノヲロ」(ウニがあるの意)・「ニムオロ」(樹木繁茂する所の意)・「ネムロコタン」(池のある集落)・「メム・オロ・ペッ」(湧壺・そこにある・川の意)などとある。
長節(ちょうぼし)の由来は、アイヌ語の「チ・オ・プシ・イ」(我ら・自ら・破る・もの)増水時に湖が海と繋がることに由来する。他にも「チェプ・ウシ」(魚・多い)湖ににボラ魚多が多かったことから。十勝支庁豊頃町にも「長節」という地名があり、十勝は「ちょうぶし」と読む。
道道142号根室浜中釧路線のJR根室本線の西和田駅から落石方向へ約750mほどに看板があるので左折し海方向へ進む、約1.6kmほどを右折し、道なりに約2.1kmに看板有るので右折すると湖にでる。

道道142号根室浜中釧路線から海岸(太平洋側)の方へ降りていくと右手に自然豊かな周囲約5km、南北約1300m、東西約450mの針広混交林に囲まれた長節湖が見えてくる。面積は0.41平方km、最大水深は7.1m、淡水、根室台地南部に位置する。湖の出口は砂州・砂堆で塞がれてできた海跡湖で、標高約4mの砂州を隔てて太平洋に面している。冬にはマガモなどの渡り鳥の姿も見られる。野付風蓮道立自然公園の一部であり、その景色の美しさから根室十景にも選ばれており、冬は凍った湖面に穴を開けてワカサギ釣りなども楽しめる。
湖畔には、西国三十三観音霊場を含む45体の観音像が安置されている。一周する約5kmの遊歩道があるはずだが整備はされておらず回ることは不可能である。現在も観音像はそのままで安置されており、遊歩道に点在している。 西国三十三観音霊場を含む45体の観音像は、1930(昭和5)年に安置されたもので、この時に遊歩道も整備されたものである。しかし近年クマの出没などで閉鎖されており、私が訪問した2019(令和元)年8月時点で観音像は数基確認できるものの遊歩道は歩ける状態ではなかった。


集落のほうの高台から長節湖の反対側に長節小沼も見える。長節小沼も、同様に海跡湖である。遠くに花咲灯台も見える。

ちょうどこの高台から太平洋側の沖合に島が見える。右がユルリ島、左側がモユルリ島である。


長節は、1967(昭和42)年から現在の字名。元は昆布盛村の一部。長節からはユルリ・モユルリ島が見える。エトピリカ・チシマガラスなどの海鳥繁殖地となっている。長節は湖沼名からとったもので、古くはチョウフシ、チョブシと呼んだ。江戸期から見られる地名。1701(元禄14)年松前藩がキイタップ場所(霧多布場所・後の根室場所)を開き、アイヌと交易する。1754(宝暦4)年霧多布場所の小屋を根室ノッカマップに移す。1789(寛政元)年蝦夷地で和人に虐待されていたアイヌが蜂起するクナシリ・メナシの戦いが起こる。1799(寛政11)年幕府は東蝦夷地(箱舘から知床までの東海岸)を7ヶ年を限り仮直轄。南部藩がネモロ・クナシリ・エトロフに勤番所を設ける。この頃からネモロ場所とアツケシ場所の境界とされ標柱があったとされている。1821(文政4)年幕府、蝦夷地を松前藩に返還。南部・津軽藩兵を撤退させる。1833(天保4)年ユルリ島の漁業権を巡りアッケシ場所とネモロ場所間に紛争起こる。1843(天保14)年3月根室国地方に大津波あり。46人死亡、家屋倒壊75戸、船61隻被害受ける。この時長節に和船が打上げられ、湖奥に流されて現在も湖底に埋積されているとの伝承があるという。1845(弘化2)年松浦武四郎始めて東蝦夷地を知床まで探検し知床日誌を著す。 この時の身分は、幕吏ではなく江差の商人和賀屋孫兵衛の手代を名乗って函館、室蘭、襟裳、釧路、厚岸、知床、根室、函館と探検した。1855(安政2)年幕府、松前・江差地方を除く全島を直轄。東蝦夷地は仙台藩の警備地となる。1856(安政3)年に建てた標柱には「従是東子モロ領西アツケシ領、箱館奉行御領所喜多野省吾持」と書かれてあった。松浦武四郎が1863(文久3)年著した「納沙布日誌」には、「チョブシと云。上に沼有。往古其中へ一本の立石が飛来りて立しと云義也。是よりネモロ領になる也」と見える。江戸期には和人は住んでいなかったようである。アイヌに関してはわからなかった。

 1869(明治2)年8月蝦夷を北海道と改称し、11国86郡を画定する。釧路国厚岸郡に属する。1871(明治4)年5月開拓使庁を札幌に置き、函館・根室の開拓使出張所を出張開拓庁とする。この年漁家3軒あった。1872(明治5)年昆布盛村の一部となる。1878(明治11)年5月根室〜浜中間の道路を南海岸に移し厚別駅逓を廃し、落石駅逓を置く。1881(明治14)年8月厚岸郡の落石・昆布盛を花咲郡へ編入する。コンブモヱ・シユムウシ・ユルリ・チョウフシなどからなる。成立時はコンブモリ村。1875(明治8)年にカナ書アイヌ名を漢字に改め「昆布盛村」と表記した。1880(明治13)年からは少なくなったボラの回復事業も行われる。採氷事業も行われている。1882(明治15)年開拓使を廃し、函館・札幌・根室の三県を置く。4月根室県庁開庁し、諸々を開拓使より引き継ぐ。根室県に属する。1883(明治16)年落石・昆布盛にて昆布営業組合を組織する。1884(明治17)年6月屯田兵村を根室郡・花咲郡の一部に置くことが内定する。1885(明治18)年5月根室外九郡長和田正苗が屯田兵少佐に任ぜられる。1888(明治21)年9月根室郡に和田村を新設する。1889(明治22)年5月和田・落石・昆布盛の三村を合せ和田外二村戸長役場を開設する。1891(明治24)年昆布盛の戸数は34戸、168人。1894(明治27)年頃早くから拓けていた長節に児童教育所設置する。1896(明治29)年昆布盛簡易教育所となる。1900(明治33)年和田外二村戸長役場に穂香(現・根室市)・幌茂尻・厚別の三村を加えて和田外五村戸長役場となる。1901(明治34)年昆布盛簡易教育所は長盛尋常小学校となる。長節に八幡宮建立する。1904(明治37)年根室山開法寺(1873(明治6)年に根室弔祭所(後の根室山開法寺・弥栄町1丁目1番地)建立し、根室で最初の寺となった)に属する曹洞宗長盛説教所設置する。1906(明治39)年4月和田・落石・昆布盛・穂香・幌茂尻・厚別を割いて和田村と改め、二級町村制を施行する。和田村役場を置く。長節は昆布盛村に属する。1910(明治43)年の昆布盛の戸数は83戸、541人。この頃から漁業不振により転出者が続く。明治末期には長節湖南端に弁天が祀られていた。

 1913(大正2)年長盛小学校は閉校となり和田小学校の分教場となる。1914(大正3)年5月大日本水産株式会社が昆布盛で捕鯨事業を開始する。人口も増えて活気が戻るが、遠浅だったこともあり、食用処理の不都合がありその後移転している。6月大津滝三郎が8人乗りフォード自動車二台を購入し、市内や根室〜落石間を運行する。1916(大正5)年大津滝三郎(北日本養狐場)がユルリ・モユルリ島で養狐事業を開始する。1917(大正6)年和田小学校昆布盛特別教授場を設置する。1920(大正9)年11月国有鉄道(後の根室本線)の厚床〜西和田間を延伸開業、初田牛・別当賀・落石・西和田の各駅を新設。1921(大正10)年8月西和田〜根室間延伸開業により全通する。花咲駅・根室駅を新設。1926(大正15・昭和元)年和田村役場を西和田駅前に移転する。大日本水産株式会社は霧多布に移転する。大正末期には養狐事業は廃止。ユルリ島にて馬の放牧がおこなわれた。

 1927(昭和2)年和田小学校昆布盛特別教授場は廃止となる。1933(昭和8)年落石小学校昆布盛分校として開校する。1938(昭和13)年11月長節湖が落石漁業協同組合に払下げられる。1954(昭和29)年昆布盛漁港が第一種漁港に指定される。1957(昭和32)年8月根室町と和田村を合併し、根室市が誕生する。根室市大字昆布盛の一部となる。1960(昭和35)年6月長節湖湖水祭開催する。ユルリ島西部に無人灯台設置する。1961年(昭和36年)2月日本国有鉄道の昆布盛駅として開業。1962(昭和37)年落石漁港が第二種漁港に指定される。長節湖を含む野付風蓮道立自然公園に指定される。1963(昭和38)年10月ユルリ・モユルリ島海鳥繁殖地を北海道指定の天然記念物とする。1964(昭和39)年落石地区で高師小僧(土中で生成される褐鉄鉱の固まり)が大量に発見される。1966(昭和41)年落石漁協にユルリ島を払下げられる。1967(昭和42)年大字が廃止され字昆布盛・浜松・長節となる。1969(昭和44)年長節の戸数は漁家24軒。1970(昭和45)年の世帯数は29戸、166人。1974(昭和49)年落石漁協にてワカサギ1億匹、ニジマス1種3万尾の孵化・放流を行う。1975(昭和50)年の世帯数は27戸、153人。1976(昭和51)年ユルリ島・落石岬が道自然環境保全地域に指定される。

根室十景とは、根室市の名所、景勝地を市内外に広く宣伝しようと市民アンケートをもとに、自然景観を重視し容易に観賞できる適地を、1979(昭和54)年に指定したもので、長節湖風蓮湖、浜松海岸、車石、北方原生花園、明治公園、納沙布岬、落石岬、 温根沼春国岱である。

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